2023年2月17日には、次の2つの報告、質疑応答及び議論が行われ、2時間余り実施した。
テーマ①「コロナ禍の下における新運転東京地本の労供事業の実態、そこに見られた成果や課題」、報告者:太田武二氏(新運転労働組合中央書記長)
太田氏の報告概要は、次の通り。
コロナ禍の中、厚労省に日雇雇用保険求職者給付金の申請窓口の時間延長、日雇雇用保険や特例健康保険の印紙の不足問題等の3種類の要望書を提出したが、理解は得られなかった。一般の雇用保険、健康保険と日雇いのそれとの取り扱いの差は大きい。新運転東京地本の対応としては、3年前の夏から、例えば濃厚接触者で働けない組合員に対し、賃金の6割プラス組合の基本財政の中の特別積立金を活用し、休業補償2万円(現在は1万円)を延べ250~300人に給付してきた。組合員の生活保障に資することができたと言える。
後から分かったことだが、令和2年5月の厚労省の「雇用調整助成金における労働日が不確定な事業主に対する対応について」という指示文書により、その後、登録型派遣の人も過去の実績に基づいて休業補償を受け取ることが拡がった。長期で同じ事業者に働きに行っている日雇い組合員にも適用できたのではないかと思われる。厚労省統計局の資料によると、労働契約・労働条件を文書で明示されないまま働いているケースがシフト制や登録型派遣等の中で増加しており、一般雇用保険や日雇雇用保険でも救われない状況が広がっている。不安定な雇用で働いている労働者を基本は日雇雇用保険で、そして最後のセーフティネットとして制度的に確立していくためにも我々(労供組合)がこの制度をきちんと整備していかなくてはならない。そして、フリーランス、曖昧な雇用で働く労働者は、個人での対応の弱さが契約における賃金の低さ、不払いの問題を生じさせるため、彼らを組織化することを一つの大きな柱としなくてはならない。