報告者:横山南人(電算労事務局長、コンピュータ・ユニオン書記長および労供労組協事務局長)
横山氏の報告概要は、次の通り。
1984年4月にコンピュータ・ユニオンの労供事業を開始した。1993年には「企業組合コンピュータ・ユニオン」を作った。2001年に一般労働者派遣事業の許可を得て、供給と派遣を組み合わせた仕組みの中で供給事業を開始し、個人事業主(フリーランス)から供給事業に切り替えて社会労働保険を適用しようと提案したが、現在も個人的な契約の形で残っている者が若干いる。2015年に労働者派遣法が改正され原則派遣期間が3年になったが、10年以上同じ供給先にいる組合員もいるため、供給派遣における派遣も例外の一つとして認めて欲しいと要求した。2018年には供給元社保適用の労働者派遣供給事業を開始し、以降、直供給に切り替えているが、まだ供給派遣での就労者もいる。
登録型派遣がなくなったものの、一般労働者派遣への切り替えは進んでおらず、偽装請負が横行している。コンピュータ・ユニオンでは、現在、4種類の就労組合員と一般企業の組合員がいる。
コロナ禍においての稼働率はさほど影響が無かったため、コンピュータ・ユニオンの労供事業として業界団体や厚労省に統一的な要求はせず、個別に対応している。また、緊急事態宣下では多くがテレワークに切り替えたが、コミュニケーションと労働時間管理が問題となっている。孤立とメンタルヘルスの不調、技術の減少にも繋がるため、企業はどのように解決するかが課題である。
電算機関連労働組合協議会(電算労)は2013年に「SE労働と健康研究会」を立ち上げ、2019年に「情報サービス産業の健全化に向けた提言」を発表した。コロナ禍においては「新型コロナ感染症とIT産業労働者の実態調査」を行い、その中間報告「コロナパニックによる急なリモートワークでSE労働はどう変わるか「在宅テレワークを乗り切るために」」はYouTubeに掲載している。2021年6月1日に『検証・テレワーク「働き方改革」との関連から考える』を学習の友社から出版した。