テーマ②「小名浜港における労働者供給事業の実態」、報告者:松本耕三氏(全港湾小名浜支部)
報告概要は、次の通り。
2009年7月に労供分会を約50名で結成し、現在44名で、組合員の募集もしているのでもうすぐ50名になるだろう。そのうち日雇雇用保険の加入者は全体の1/3~1/2で、農家等の兼業の方は月によって印紙が足りなくなるケースがあり辞退している。また、日雇健康保険の方は社会保険事務所が印紙の問題を想定外としているため、日雇雇用保険加入者よりも4名少ない。しかし、月平均13~15日出ている労供組合員からすると両保険ともメリットがあるため、我々も活用していきたい。
小名浜港には2つの事業者がおり、船が満杯になるととても常用では足りないので、労供事業に頼りたいというのが事業者の本音だろう。臨時供給事業については、繁忙期が重なったり賃金の払い方が煩雑だとしたり、企業は港間の応援についても乗り気ではない。労働者自身も煩雑だとして抵抗が多く、行く人は少ない。社会保険の支払いを含め企業にやってもらうなどの対応をすると派遣と同じことになるとの問題等が生じ、賃金等の支払いにおいて煩雑さの解消ができない。供給先はほしがっても、供給元が労使共にうまくいかない。 荷動きには月例の繁閑差があるが、見通せない3、4年スパンの波動もあり、小名浜港の2社より労働者供給で対応して欲しいと組合への要請がある。労働者供給事業に就く組合員の半数以上がこの仕事で主収入を得ることを希望しているため、印紙分程度の仕事の補償について組合は会社と交渉中である。しかし、かつての全港湾の常用化社員化闘争の経緯もあり、企業側は組合の補償要求が常用化要求になるのではないかと危惧している。組合として、労働者供給事業と常用化要求との兼ね合いをどう考えるか、特に若い者たちのことを意識すれば、考えていくべき論点であろう。